トンボの幼虫の特徴 このページの最終更新日は1999年12月1日です. 幼虫を捕まえたけれど種(しゅ)がはっきりしないというときは,飼育して羽化させると,図鑑などでトンボの名前がわかることが多いと思いますが,その前に,それがトンボの幼虫かどうかを下の写真で確めてください.トンボは蛹の時期が無い不完全変態の昆虫ですので,幼虫のときから写真の赤の矢印で示したような翅芽(しが:後で、はねになるところ)があります.また、白の矢印で示したところに下唇腮(かしんさい:餌をつかまえる折りたたまれたあごで,これをのばして餌をとる)があります.形は色々ありますが,翅芽と下唇腮の2つがあればトンボの幼虫(ヤゴとも言います)です.昆虫ですので肢(あし)はもちろん6本です.トンボの幼虫は仲間(科や属)によってだいたい似た形をしています. ヤンマの仲間は生息している場所によらず,だいたい左のギンヤンマの幼虫に近い細長い形をしています.エゾトンボの仲間は右のタカネトンボによく似た形をしています.
写真左:クロスジギンヤンマの幼虫 右:タカネトンボの幼虫 どちらも飼育中に撮影
イトトンボ類やカワトンボの仲間では,翅芽,下唇腮に加えて,空色の矢印で示した葉状の尾鰓があります.
写真左:アオモンイトトンボの幼虫 右:ミヤマカワトンボの幼虫 左は飼育中,右は野外で撮影
アカトンボの仲間は左のコノシメトンボのような形をしています.サナエトンボの仲間は右のホンサナエのような平たい形をしています.若齢幼虫(:じゃくれいようちゅう:まだ小さい幼虫)は終齢幼虫(しゅうれいようちゅう:大きくなった幼虫で,次に脱皮するとトンボになる幼虫)と色が違うことがあります.同じ種でも色は違うことがあります.
写真左:コノシメトンボの幼虫 右:ホンサナエの幼虫 野外で撮影
ムカシトンボは川の上流部の流れの速い石の下などに生息しています.形は特徴があります.右のオニヤンマの幼虫は湿地や浅い小さな流れに生息しており,形に特徴があります.
写真左:ムカシトンボの幼虫 中央:ウスバキトンボの幼虫 右:オニヤンマの幼虫 野外で撮影 |