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ハグロトンボの孵化

このページの最終更新日は2005年9月2日です.


ササバモに産卵するハグロトンボ 7月撮影 兵庫県三田市  オオカナダモに産卵するハグロトンボ 7月撮影  兵庫県三田市
ササバモに産卵されたハグロトンボの卵 2005/8/31撮影 白の矢印で示しているのが卵です. これらの卵はまもなく孵化します.産卵直後の卵は見えにくいですが,数日経過するとはっきり見えてきます.

孵化直前のハグロトンボ卵 2005/9/2撮影 植物はササバモの茎です.(拡大率は下の卵の変化や孵化の0.5倍です)

 

ハグロトンボの卵の変化 ハグロトンボの胚反転の様子はイトトンボ科やモノサシトンボ科と同様で胚反転(長軸方向)するときに,短軸方向にも180度回転します.産卵植物に産卵する卵の向きは決まっていますので,孵化するときには胚の背側が植物表面側にあります.同じカワトンボ科でもカワトンボやオオカワトンボは胚反転(長軸方向)するときに短軸方向には回転しません.
 2005/8/20〜8/30撮影 数字は 月/日 です.産卵植物(ササバモ)から取り出した卵です.これまでに調べた卵期は最短卵期が13日,平均卵期は14日〜15日でした. ハグロトンボの卵の大きさは産卵直後1.22×0.21mm程度,孵化少し前1.38×0.29mm程度です.

 

ハグロトンボの孵化 2005/8/30撮影 ハグロトンボの孵化時間は短く,この個体では卵から出始めてから前幼虫を経て一齢幼虫になるまでに要した時間は1分57秒でした.図中の数字は時:分:秒です.
左端の写真は1日前の写真です.卵の前端は孵化数時間前から伸び始めます.この個体は上の卵の変化を観察したのと同じ個体です.
中央の写真が前幼虫です.前幼虫の時期は短く,前幼虫になった後,約15秒で胸部背面が盛り上がり,一齢幼虫が出始めます,
触角,下唇腮,肢,最後に尾鰓が出て一齢幼虫になります.一齢幼虫になってから,しばらく後に気管が白くなります.

 

ハグロトンボの一齢幼虫 2005/8/31撮影 大きさ 体長約1.59mm.頭幅約0.40mm.触角の長さ約0.52mm.尾鰓(側鰓)の長さ約0.65mm.