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キイトトンボの孵化
このページの最終更新日は2011年12月11日です.
キイトトンボ Ceriagrion melanurum (Selys) 2002/8/8産卵 産卵直後の卵の大きさは1.00×0.19mm.孵化直前の卵の大きさは1.07mm×0.24mmです.近畿地方に生息する 11種のイトトンボ科の卵の中では,最も大きな卵です. 最初に孵化したのは2002/8/16でしたので最短卵期は8日,平均卵期(半数孵化)は9日でした.産卵から半数孵化までの平均気温(9日間の最低気温の平均と最高気温の平均の中間)は30.3℃でした. |
産卵から孵化までの卵の変化のようす(1卵の継続観察) 下の段は上と同時期の透過光による撮影です. 孵化する少し前の卵は産卵直後と比べて,長径方向に約7%,短径方向に約26%大きくなる(体積では約1.7倍)ので,見た目にはかなり太くなったように見えます. 撮影日2002年 (月/日) 1:(8/8),2:(8/9),3:(8/10),4:(8/11),5:(8/12),6:(8/13),7:(8/15) |
キイトトンボの孵化 2002/8/16撮影 均翅亜目のトンボの卵は孵化直前に前端部が伸びます.その中でもこのキイトトンボは伸びが大きい卵です.孵化直前に,卵の前端部が伸びることにより,産卵植物から卵の前端がでて,確実に水中に孵化することができます. 卵の前端が伸び始めてから前幼虫が卵から出るまでには3時間以上かかりますが,卵から前幼虫がでて,1齢幼虫になるまでは速く,約2分20秒です. 撮影時刻(時:分:秒) 1:(00:40:51),2:(02:06:19),3:(02:24:02),4:(02:26:47)卵の前端が伸びきるまでには時間がかかりますが,その後,卵の中の胚(前幼虫)が卵の前端部に向かって伸びていくのは短時間です. 5:(02:27:32),6:(02:27:45),7:(02:28:09) 5は孵化から5秒後,6が孵化から18秒後でこれが前幼虫です.7は孵化から34秒後で胸部背面が盛り上がり,前幼虫から1齢幼虫が出てきます. 8:(02:28:30),9:(02:28:59),10:(02:29:53),約2分20秒ぐらいで孵化が終わり,1齢幼虫になります.イトトンボ科では,1齢幼虫になる前後に,はじめ透明であった気管が白くはっきり見えてきます.このようすは白い線が走っていくように見え,なかなか見ものです. |
キイトトンボの1齢幼虫 大きさは体長(頭部から腹部まで)約1.13mm,頭幅約0.38mm,触角の長さ約0.35mm,尾鰓の長さ(側鰓)約0.77mmです.イトトンボ科の中でキイトトンボは尾鰓が短いのですが,1齢幼虫でも形は違いますが,尾鰓がやや短いようです.頭部に目立つ突起はありません. |