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コオニヤンマの孵化

このページの最終更新日は2011年12月11日です.


コオニヤンマ   Sieboldius albardae Selys

2002/8/3産卵 産卵直後の卵の大きさは0.78×0.39mm.孵化直前の卵の大きさは0.80mm×0.48mmです.近畿地方に生息する サナエトンボ科の卵の中では,大きな卵です. 最初に孵化したのは2002/8/13でしたので最短卵期は10日,平均卵期(半数孵化)は11日でした.産卵から半数孵化までの平均気温(11日間の最低気温の平均と最高気温の平均の中間)は30.5℃でした.

産卵から孵化までの卵の大きさの変化 (同じ1卵を毎日1回観察した中から4枚を選んだもの)
撮影日(月/日)  1:(8/3),2:(8/6),3:(8/9),4:(8/13) 長径はほとんど変化しません.短径は胚反転前後に急速に大きくなりますが胚反転終了後は ,大きさにほとんど変化がありません.
コオニヤンマの卵の変化

コオニヤンマに卵前端部の小突起のようす (1,2は上の写真の5倍に拡大.3,4は10倍に拡大)コオニヤンマの卵には前端部と後端部に目立つ小突起があります.前端部の小突起には小さな穴(micropyle)とそれに続く管が見られます.後端の小突起は前端の小突起と同じぐらいの大きさですが,目だった構造はあ りません.

1:卵前端小突起部分を横から撮影 2:卵後端小突起部分を横から撮影 3:卵前端小突起部分を外側真上から撮影 10個のmicropyleが見えます.4:卵前端小突起部分を内側から撮影 3と違う個体で11個の管が見えます.micropyle数はほとんどが9個から11個で10個のものが一番多く見られました.

コオニヤンマの卵の先端部

コオニヤンマの孵化 2002/8/13撮影 撮影時刻(時:分:秒)

1:(00:37:27),2:(00:41:10),3:(00:44:16),4:(00:44:46)孵化前の動きはやや見えにくいのですが,孵化直前には卵歯,複眼の前後の動きがよく見えます. 5:(00:46:20),6:(00:50:29),7:(00:51:25)卵から出始めてから約5分で前幼虫になり,その後約3分30秒後に胸部背面から1齢幼虫が出始めます. 8:(00:52:09),9:(00:52:51),10:(00:55:28)卵から1齢幼虫になるまでに要する時間は10分から13分程度です.

コオニヤンマの孵化
コオニヤンマの1齢幼虫 大きさ 体長約1.26mm.頭幅約0.38mm.触角の長さ約0.21mm.頭部に小さい突起がありますがほとんど目立ちません.
コオニヤンマの1齢幼虫