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キキョウソウとヒナキキョウソウ

このページの最終更新日は2005年5月29日です.


最近,自宅周辺(兵庫県芦屋市)で多く見られるキキョウソウとヒナキキョウソウを観察してみました.ずっと以前に,淀川(大阪市)の河川敷でキキョウソウを見つけて喜んだものですが,最近は私の散歩コースでも,いくらでも見ることができます. 果実に種子が転がり落ちる隙間ができるようすがおもしろい.


キキョウソウ Triodanis perfoliata Nieuwl キキョウ科

ヒナキキョウソウ Toriodanis biflora Greene キキョウ科

花,葉,生育環境

キキョウソウ 花冠の直径は12〜20mm程度.花冠の裂片はヒナキキョウソウに比べるとやや幅が広い.条件のよいところでは下から順次上に咲いていき同時に5つぐらいの花が開いていることもある.1つの花は4日ほど開いている.葉は無柄で広く,茎を抱く.葉はヒナキキョウソウに比べると丸みがある.   2005/5/28撮影 ヒナキキョウソウ 花冠の直径は17mm前後が多いが,環境により,23mmぐらいの大きさになることもある.花冠の裂片はキキョウソウに比べるとやや細い. 多くのつぼみをつけるが開花するのは普通最上部の1つのみで,残りは閉鎖花である.花が見られる頃には下部の閉鎖花からは種子がこぼれ落ちている.葉は無柄でキキョウソウに比べると細い.2005/5/28撮影
キキョウソウの生育環境 公園内の草地や花壇,または道路わきなどに生育する.2005/5/19撮影 ヒナキキョウソウの生育環境 キキョウソウと同じで,公園内の草地,道路わきなどいたるところに群生していて,最近は数が特に多い,キキョウソウよりやや乾燥した場所にも生育している.5月下旬頃が最盛期.2005/5/28撮影

果実と種子 2005/5/25〜29撮影

キキョウソウ  ヒナキキョウソウ
種子がでる隙間は果実の中央付近に3箇所 できる.3箇所ほとんど同時に開く.がく片は5.閉鎖花ではがく片が3または4で,種子がこぼれ落ちる隙間は2箇所. 種子の大きさ 長径0.59mm.短径0.42mm.厚さ0.30mm.ヒナキキョウソウの種子よりやや大きい. 表面に小さな突起があるので表面につやがない. 種子がでる隙間は果実の上方に3箇所. がく片は5.閉鎖花ではがく片が3または4で,種子がこぼれ落ちる隙間は上方に2箇所.ほとんどが閉鎖花. 種子の大きさ 長径0.50mm.短径0.36mm.厚さ0.20mm. 種子はキキョウソウよりやや小さく,表面につやがある.

種子の散布 種子が成熟した頃に果実の表面に窓が開き,種子が転がり出ます.

種子がこぼれる隙間のでき方(キキョウソウ)  2005/5/29撮影

開く前

開きはじめて1分後

外側に巻きながら開いていく.開きはじめてから7分後 開きはじめてから10分後 開きはじめてから18分後.ほとんど開ききる.

アニメーション

その他(2枚の写真はいずれもキキョウソウ)
種子がこぼれる隙間ができるに時に巻き上がったリボン状の形がおもしろい.2005/5/29撮影 閉鎖花 閉鎖花 (開花しないまま自家受粉で種子をつくる)のがく片は3枚か4枚で,種子がこぼれる隙間は2箇所.葉が茎を抱くのでこぼれた種子がたまっていることがある.この写真では種子がこぼれかけている.2005/5/28撮影