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アメンボの卵寄生蜂4

このページの最終更新日は2005年7月20日です.


近くの公園(兵庫県芦屋市)でアメンボ卵を探してみたところ,多くのアメンボ卵にタマゴクロバチ科の蜂が寄生していました.このページでは卵寄生蜂がアメンボの殻に穴をあけて出てくる様子を取り上げてみました.


図17-1アメンボの卵寄生蜂が脱出したアメンボ卵の殻 2005/7/19撮影 卵寄生蜂はアメンボの卵の殻をかみ切って出てきます.丸みのある穴が開いていますが,これは卵の殻を細く数回切った結果できる穴です.穴の周囲に細い切片(せっぺん:切ってできたかけら)が散らばっています.穴の大きさは約0.33mm〜0.43mmで,卵寄生蜂の頭幅より少しやや大きい程度です.アメンボが孵化した後の卵の殻は長径方向に平行に割れ目ができるだけですので,写真のような丸い穴が開いていれば,卵寄生蜂が脱出した卵ということができます.(この写真は下の図17-2〜17-6の1/2倍に 縮小してあります)

 

アメンボの卵寄生蜂がアメンボ卵の殻をかみ切って出てくるようす 2005/7/15撮影 数字は撮影時刻(時:分:秒)です.この個体が殻に穴を開け始めてから脱出するまでにかかった時間は14分40秒でした. アメンボ卵は水中に置いてあります.
図17-2  19:42:37撮影  中で動いていますが,殻にまだ穴は開いていません. 図17-3  19:48:12撮影  殻を切り始めています. 図17-4  20:01:08撮影  切片が6個できて,蜂が出られるくらいの穴が開いたところです.
図17-5  20:01:19撮影  出られる大きさの穴が開くとすぐ出てきます. 図17-6  20:02:25撮影  まだ水中ですが,出た後,肢で体,翅,触角などを少し整えた後,水面上に出ます.

 

卵寄生蜂がアメンボの卵の殻に穴を開けるようす() 数回 にわけて細長い切片を切り取り,最終的に丸みのある穴を開けて出てきます.この個体の場合は6回切り取り,穴を開け始めてから約15分で蜂が出てきました. 2005/7/15撮影 数字は撮影時刻 時:分:秒 (この写真は上の図と同じ個体で,図17-3〜図17-4の間の拡大写真です)
図17-7  19:48:56撮影  1枚目の切片を切り取ったところ 図17-8  19:49:44撮影 2枚目を切り取っているところ 図17-9  19:52:35撮影 3枚目を切り取っているところ
図17-10  19:56:48撮影 4枚目を切り取ったところ 図17-11  19:58:38撮影 5枚目を切り取ったところ 図17-12  20:00:54撮影 6枚目を切り取っているところ 

 

図17-13 蜂が切り取ったアメンボ卵の殻 切片の大きさ 長さ約0.30〜0.35mm, 幅約0.060mm(60μm), 厚さ約0.010mm(10μm).(この写真は上の図17-2〜 図17-6の4倍に拡大) 切り取ったところがぎざぎざになってい ます.