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サナエトンボ科羽化用容器と羽化例

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トンボ科,エゾトンボ科,ヤンマ科などを飼育するとき,羽化が近づいてくると,羽化するときに幼虫が上ってくる適当な棒きれを飼育瓶に立てておきます.サナエトンボ科の中には棒切れではうまく羽化できない種もあるので,石を使う と確実に羽化させることができます.

容器の大きさは直径20cm〜30cmの容器で,深さが7cm〜10cmあればよいと思います.下の図では植木鉢の受け皿を使った例ですが,直径20cm程度の植木鉢の受け皿は浅いものが多く,羽化直前の幼虫が縁から逃げ出すことがあります.直径30cmのものでは深さが7cmほどあり,砂や水を少ない目にすると縁から逃げ出すことはあまりありません. 洗面器などでやや深めのものも使いやすいですが,あまり深いと,水際で羽化する種の写真撮影がしにくいことがあります.

中に入れる石は幼虫がしっかり固定できるような,ざらざらした石が適当です.サナエトンボ科の定位の角度はほとんどが0度〜90度です.垂直(90度)に近い角度で定位する種もあるので,石もそのような角度でも定位できるように置きます.

サナエトンボ科の種は幼虫が流水域に生息するものが多いのですが,終齢幼虫を採集し羽化させるときは流水域の環境でなくても羽化します.

 

 

飼育容器の底には砂を入れますが,この容器には熱帯魚などに使用する砂利を入れています.飼育が終わると洗って何度でも使用できます.幼虫は羽化直前のキイロサナエの終齢幼虫です. 水面近くで羽化します. この容器は植木鉢の下に敷く,直径30cm高さ7cmの受け皿です.幼虫を採集した場所から持ち帰った砂利や砂を入れた飼育容器です. 砂に潜っているのはキイロサナエの終齢幼虫です.
 

クロサナエの羽化 石の上を歩き回った後,しっかり固定できるところで羽化しますので,できるだけざらざらした石を使うとうまく羽化できるようです.写真中の石は拾ってきた溶岩です.

ヒメクロサナエの羽化   水面近くで羽化しています.
 

アオサナエの羽化  垂直に近い場所で羽化しています.

 

ホンサナエの羽化 定位の角度約45度で羽化しています.