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サナエトンボ科の羽化殻

 コサナエ属 (コサナエ,フタスジサナエ,オグマサナエ,タベサナエ)

このページの最終更新日は2009年5月5日です.

コサナエ属

コサナエ  Trigomphus melampus (Selys) 羽化殻の大きさ22-24(23.0)mm.頭幅4.5mm.腹部最大幅5.6mm.側棘は 腹部第7節-9節にあります.背棘は腹部第8節,9節にあります.フタスジサナエ,オグマサナエとは腹部第10節が短いこと と,小さいながら背棘が認められることで見分けられます.

フタスジサナエ Trigomphus interruptus (Selys) 羽化殻の大きさ24-27(25.5)mm.頭幅5.1mm.腹部最大幅5.7mm.側棘は 腹部第7節-9節にあります.痕跡的な背棘が8,9節にある個体もありますが,ほとんどの個体は,ルーペで確認出来る背棘はありません. 腹部第10節はオグマサナエよりは短く,コサナエよりは長いことで見分けられます.

オグマサナエ Trigomphus ogumai Asahina 羽化殻の大きさ27-30(28.4)mm.頭幅4.9mm.腹部最大幅5.5mm.側棘は 腹部第6節-9節にあります.ルーペで確認出来る背棘はありません.フタスジサナエに比べて,腹部第9節と腹部第10節が長く,側棘が短いことで見分けられます.

タベサナエ  Trigomphus citimus tabei Asahina 羽化殻の大きさ21-27(25.5)mm.頭幅5.4mm.腹部最大幅7.1mm.側棘は 腹部第6節-9節にあります.背棘腹部第3節-9節にあります.同じぐらいの大きさの他種にくらべて,背棘がはっきりしていること,側棘もはっきりしていることで見分けられます.

この4種の中でタベサナエは背棘がはっきりしていますので,容易に見分けられます.他の3種の背棘は小さくはっきりしない個体も多いので見分けるのには使えないことが多いようです.

側棘数は安定しないですが基本的には腹部第6節-9節にあるようです.タベサナエは腹部第6節の側棘が小さいながらはっきりしている個体が多いですが,他の3種の腹部第6節の側棘は痕跡的なものや認められないものが多いようです.また羽化殻に泥のついているものが多く,そのため側棘が見えない個体も多いようです.

コサナエは分布が限られますのでコサナエの分布域であるかどうかも考慮します.

フタスジサナエとオグマサナエは分布域や生息環境が似ていて,さらに,個体差もありますので,羽化殻だけでの同定は注意が必要です.