トンボ科アカネ属の背棘(はいきょく)と側棘(そっきょく)
このページの最終更新日は2009年5月7日です.
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アカネ属の幼虫はアカネ型といわれる特徴のある形をしています.アカネ属でない種の幼虫で,アカネ属によく似ている
のはトンボ科のショウジョウトンボ
です.ショウジョウトンボには背棘がなく,腹部第8節と9節の側棘がごく小さいので見分けることができます.また,アカネ属のスナアカネがこのショウジョウトンボによく似ています
のでこの2種の見分け方は→ショウジョウトンボとスナアカネの比較 を見てください.
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トンボ科アカネ属を見分けるときに役立つ,側棘(そっきょく)と背棘(はいきょく)です.
また,下唇(かしん)の褐色斑(かっしょくはん)もある程度参考になりますので,一部載せてあります.
腹部第9節に背棘のあるアカネ属はキトンボとオオキトンボです.スナアカネには背棘がありません.その他のアカネ属の背棘は普通腹部第4節から腹部第8節まであります.しかし,ネキトンボは背棘を欠くもの,腹部第7節まであるもの,腹部第8節まであるものなど変異が多く,他の種でも背棘はやや変異が多いので,種を見分けるのには側棘やその他と併用します.
アカネ属は腹部第8節と腹部第9節にはっきりした側棘がありますが,背棘と比べると個体変異がやや少ないので,種を見分けるのに使えます.側棘のその節に対する長さ,側棘の先端と肛上片などの先端との位置関係,側棘の太さ,曲がり方などで表します.しかし,個体による変異もあり,やはり見分けるのが困難なときも多くあります.
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ミヤマアカネ,マユタテアカネ,マイコアカネはよく似ています.環境的にも場合によっては同時に生息していることがあります.側棘はマイコアカネがもっとも長く,下唇腮はミヤマアカネが
幅が広く短いのですが,比べてみてはじめてわかる程度のものです.下唇腮の褐色斑はミヤマアカネは中片になく,マイコアカネ,マユタテアカネは中片にもあります.体の斑紋はマイコアカネとマユタテアカネがはっきりしています.
オナガアカネは定着していない種ですので,幼虫や羽化殻が見つかる可能性は少なく,ヒメアカネの羽化殻は他と比べてかなり小さく,また腹部第8節,腹部第9節の側棘がともにごく短いことで見分けられます. |
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タイリクアカネとコノシメトンボの見分け方は下にあります. |
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スナアカネは背棘がありません.ネキトンボは背棘がない個体もあれば腹部第4-8節に背棘のある個体もあり,個体による変異が大きい種です.キトンボとネキトンボは腹部第9節にも背棘があり,他と見分けられます. |
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ノシメトンボ,リスアカネ:一般的な大きさはノシメトンボが大きいですが,場合によっては同じくらいの大きさのことがあります.側棘はノシメトンボが少し長く,やや太く,少し曲がり方が大きいようです.体の斑紋はリスアカネがはっきりしていることが多いようです.
ナツアカネ,マダラナニワトンボ:マダラナニワトンボは今では稀種です.どちらも下唇腮の褐色斑
がない個体が多く,あってもごくうすい色をしています.羽化殻はナツアカネがやや大きく,側棘はマダラナニワトンボのほうがより長いことで見分けます.
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コノシメトンボとタイリクアカネ 阪神間の学校のプールなどで多数みつかる羽化殻はタイリクアカネが多いのですが,アキアカネ,コノシメトンボも見られます.タイリクアカネの腹部第8節の側棘はその節の1/3,コノシメトンボの腹部第8節の側棘はその節の1/2と短く,タイリクアカネとコノシメトンボの腹部第9節の側刺はその節と同じ長さですが,タイリクアカネのほうが太く曲がっているのに対して,コノシメトンボは細く直線的です.しかし,側棘も変異があり,タイリクアカネでも腹部第9節の側棘が直線的なものもありますので,注意が必要です.コノシメトンボは下唇に褐色斑がない個体が多く,タイリクアカネは下唇に淡色の褐色斑がある個体が多いようです.コノシメトンボの腹部背面の斑紋がはっきりしているものが多いですが,中にはあまりはっきりしていない個体もいます.これらを総合して判断してください.アキアカネは他の2種より腹部第8節の側棘が長いので見分けられます. |
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