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トンボ科(アカネ属を除く)の羽化殻

このページの最終更新日は2009年5月7日です.

近畿地方で記録のあったトンボ科 (アカネ属を省く)のトンボは16種です.その中でアオビタイトンボ以外の15種の羽化殻の特徴を書いてみました.この15種の羽化殻は,形に特徴のあるものが多く,ルーペで比較的簡単に見分けられる 種が多いようです.
私が観察したそれぞれの種の特徴を下にまとめてみました.羽化殻の大きさと形,色と斑紋,背棘と側棘のようすなどで同定します.下の文中の15-18(17.1)mmは大きさが15mmから18mm程度で,数個体の平均が17.1mmということです.

トンボ科(アカネ属を省く)全形(拡大率は同じ)

ハラビロトンボ  Lyriothemis pachygastra (Selys)   羽化殻の大きさ15-18(17.1)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/3の長さ,腹部第9節の側棘はその節と同じ長さ.背棘は4-9節にあり,5-9節の背棘はやや太く,長く,するどく尖っています.

シオカラトンボ   Orthetrum albistyrum speciosum (Uhler)  羽化殻の大きさ21-26(22.9)mm.腹部第8節の側棘はその節の1/5の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/4の長さ.背棘はありませんが剛毛が見られます.下唇の褐色斑は側片に少しあります.

シオヤトンボ  Orthetrum japonicum japonicum (Uhler)  羽化殻の大きさ17-20(17.7)mm.腹部第8節の側棘はその節の1/5の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/5の長さでほとんど目立ちません.小さくやや曲がった背棘が腹部第4節-7節に見られます.

オオシオカラトンボ  Orthetrum triangulare melania (Selys)  羽化殻の大きさ22-24(23.3)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/5の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/5の長さでほとんど目立ちません.背棘が腹部第4節-7節にあります.

ヨツボシトンボ   Libellula quadrimaculata asahinai Schmidt  羽化殻の大きさ22-26(22.7)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/5の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/5の長さ.背棘は腹部第3節-8節にあり,6-8節の背棘はあまり大きくなく,やや曲がっています.下唇の褐色斑は側片に少しあります.

ベッコウトンボ   Libellula angelina Selys  羽化殻の大きさ19-24(21.2)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/5の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/5の長さでほとんど目立ちません.背棘は腹部第3節-9節にあり,7,8節の背棘は太く,やや曲がっています.腹部第9節の背棘がはっきりしており,他と見分けられます.

ハッチョウトンボ   Nannophya pygmaea Rambur   羽化殻の大きさ8-9(8.9)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/3の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/2の長さですが,剛毛があり,さらに泥がついていることが多く,はっきり確認できないことが多いようです.背棘はありませんがやや盛り上がっており剛毛があるため,とげがあるように見えます.大きさだけで他と見分けられます.

アオビタイトンボ  Brachidiplax chalybea flavovittata Ris まだ羽化殻を採集していません.

コフキトンボ  Deielia phaon (Selys)  羽化殻の大きさ20-22(21.3)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/3の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/3の長さ.背棘は腹部第4節-9節にあり,6-9節の背棘は大きく, 稜状でとげ状ではありません.

ショウジョウトンボ Crocothemis servilia mariannae Kiauta  羽化殻の大きさ17-22(19.9)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/4の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/4の長さ.背棘はありません.下唇の褐色斑は側片に少しあります.アカネ属の羽化殻に似ていますが背棘がないことと,側棘が短いことで見分けられます.

コシアキトンボ  Pseudothemis zonata (Burmeister)   羽化殻の大きさ19-21(20.5)mm.腹部第8節の側棘はその節の1/3の長さ,腹部第9節の側棘はその節の4/5の長さ.背棘は腹部第2節2-9節にあり,7-9節の背棘は大きく,とげ状ではありません.下唇の褐色斑は側片にも,中片にもあります.斑紋がはっきりしており,黒っぽい個体が多いようです.

アメイロトンボ  Tholymis tillarga (Fabricius) まだ羽化殻を採集していません.

チョウトンボ   Rhyothemis fuliginosa Selys   羽化殻の大きさ14-16(15.1)mm. 腹部第8節の側棘はその節の1/4の長さ,腹部第9節の側棘はその節の1/3の長さ.小さなとげ状の背棘が腹部第4節-9節にあります. 幼虫はエゾトンボ科の幼虫に少し似ています.

ハネビロトンボ Tramea virginia (Rambur)   羽化殻の大きさ24-27(26.0)mm.腹部第8節の側棘はその節の1.7倍長さ,腹部第9節の側棘はその節の2倍以上の長さ.背棘はありません.下唇の褐色斑は側片にあります.

コモンヒメハネビロトンボTramea transmarina euryale Selys 羽化殻の大きさ24-25(24.5)mm.腹部第8節の側棘はその節の1.5倍 以上,腹部第9節の側棘はその節の2倍以上の長さ.背棘はありません.下唇の褐色斑は側片にあります.

ウスバキトンボ Pantala flavescens (Fabricius)   羽化殻の大きさ24-27(25.7)mm. 腹部第8節の側棘はその節と同じ長さ,腹部第9節の側棘はその節の2倍の長さ. 背棘は腹部腹部第2節-4節にあります.背棘は見えにくいところにありますので見落としがちです.腹部の斑紋がはっきりしています.