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ムカシトンボの卵寄生蜂

このページの最終更新日 2003年9月12日です.

ムカシトンボの卵 ムカシトンボ羽化殻 ムカシトンボ成虫 ムカシトンボ雑記


ムカシトンボの卵にも,卵寄生蜂が寄生します.

図4-1 1:ムカシトンボの産卵 2:ムカシトンボの産卵痕(この植物はウワバミソウ) 3:ムカシトンボの生息環境 ムカシトンボは河川 源流域に生息しています.

 

図4-2 ムカシトンボの卵寄生蜂♀の産卵動作 触角で植物上探りながら歩き回り,ムカシトンボの産卵痕のあるあたりで,立ち止まり,産卵管を起こして,1のように産卵管を植物に垂直にしたのち,2のように全身で押さえ込むようにして産卵します.この動作はアオイトトンボ科やイトトンボ科に寄生する卵寄生蜂と同じ動作です.♀の大きさは体長約0.85mm,触角の長さ約.0.75mmです.♂は♀よりやや大きく,♀より長い触角を持っています.

図4-3ムカシトンボの卵の中で成長する卵寄生蜂 卵寄生蜂の成長は速く,寄生されていない卵が胚反転するころ,卵寄生蜂はすでに蛹になり,ムカシトンボの卵の孵化より早く羽化し,羽化後すぐ産卵をはじめます.しかし,卵の中で大きくならない卵寄生蜂の幼虫もいます.幼虫は小さいうちは卵の中で向きを変えていますが,大きくなると,卵の前端方向に頭部が向くようになり,そのまま蛹化し羽化します.これまで観察した,トンボの卵寄生蜂の中で,卵の中で蛹化する種は前端方向を向いて いるものが多いようです.しかし蛹化前に卵から出る種では向きはばらばらでした. (2002年の春に枯れ木から取り出したオオルリボシヤンマの卵の卵寄生蜂では,卵の中で蛹化しているのに後端方向を向いているものが多くいました.)

図4-4 ムカシトンボの発生のようす 左から右まで8日間の変化です.