イトトンボ科の卵1
このページの最終更新日は2009年5月22日です.
イトトンボ科の卵は,胚の反転期ころに長さ,幅ともに急に大きくなります.孵化直前には,卵の前端(とがっているほう)が伸びだし,透明の部分ができるので孵化直前を知ることが出来ます.その伸びだしの長さは,卵の1/4から1/3程度です.気温(水温)により孵化までの日数も変化しますが,
約6日から12日です.近畿地方に生息するイトトンボ科は次の11種です.このページのデータは,全部2000年以降に再測定したものです.
イトトンボ科の採卵は産卵中の♀を採集して,湿ったろ紙やティッシュペーパーを入れた容器中に入れておくと,産卵しますので多くの卵が得られます.しかし,産卵植物中の卵のようすの観察,卵寄生蜂の観察などには,産卵
されている植物を持ち帰って観察します.
下の写真の中の1は産卵直後の卵,2は胚反転ころの卵,3は完成卵(まもなく孵化する卵)です.4,5は1齢幼虫の頭部の様子です.
イトトンボ科は,次の2ページに分けてあります.
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ヒヌマイトトンボの産卵 ♀単独で産卵します.単独で産卵するのはモートンイトトンボ,ヒヌマイトトンボ,アジアイトトンボ,アオモンイトトンボです.2000年7月2日撮影 兵庫県豊岡市 |
セスジイトトンボの産卵 連結して産卵するのはホソミイトトンボ,ベニイトトンボ,キイトトンボ,クロイトトンボ,オオイトトンボ,セスジイトトンボ,ムスジイトトンボですが,♂が何らかの理由で飛び去り,♀だけで産卵していることもあります.2000年9月7日
撮影 兵庫県三田市 |
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モートンイトトンボ Mortonagrion selenion (Ris)
卵の大きさ:産卵直後0.85mm×0.17mm.孵化少し前1.00mm×0.22mm.卵期:最短11日.平均(半数孵化)12日.(写真 1:産卵後1日目の卵
2:産卵後6日目の卵 3:産卵後11日目の卵)
頭部に先端部が丸みのある角状突起(赤の矢印)があります.近畿地方に生息するイトトンボ科で,はっきりした角状突起があるのはこのモートンイトトンボだけです.
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ヒヌマイトトンボ Mortonagrion hirosei Asahina
卵の大きさ:産卵直後0.77mm×0.15mm.孵化少し前0.89mm×0.19mm.卵期:最短8日.平均(半数孵化)10日.
(写真 1:産卵後1日目の卵 2:産卵後5日目の卵
3:産卵後7日目の卵)
ヒヌマイトトンボの卵は近畿地方に生息するトンボの卵の中で,もっとも体積の小さい卵です.
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ホソミイトトンボ
Aciagrion migratum (Selys) 卵の大きさ:越冬型も夏型もほとんど同じ
です. 産卵直後0.87mm×0.17mm.孵化少し前0.96mm×0.22mm.卵期:越冬型は最短9日,平均(半数孵化)10日.夏型は最短,平均ともに6日
です.夏型が産卵するころは気温(水温)が高いため,卵期が短くなります.(写真は夏型の卵です. 1:産卵後0日目の卵
2:産卵後3日目の卵 3:産卵後5日目の卵)
ホソミイトトンボの卵は黒っぽい卵です.
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キイトトンボ
Ceriagrion melanurum Selys
卵の大きさ:産卵直後0.95mm×0.20mm.孵化少し前1.07mm×0.25mm.卵期:最短8日.平均(半数孵化)9日.(写真 1:産卵後1日目の卵 2:産卵後5日目の卵
3:産卵後7日目の卵)
キイトトンボの卵は近畿地方に生息するイトトンボ科の卵の中では最も体積の大きな卵です.また,孵化直前の卵の伸びだしの長さが大きい卵です.
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ベニイトトンボ
Ceriagrion nipponicum Asahina
卵の大きさ:産卵直後0.83mm×0.19mm.孵化少し前0.93mm×0.24mm.卵期:最短8日.平均(半数孵化)9日.
(写真 1:産卵後0日目の卵 2:産卵後3日目の卵
3:産卵後6日目の卵)
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